AviUtlを使ったMP4 (H.264) エンコード
必須ソフトウェア名 | 最新版 | 更新日 |
---|---|---|
AviUtl | 1.00 | 2013/04/01 |
拡張 x264 出力(GUI)Ex | 2.61 | 2019/07/10 |
x264CLI(x264.exe) #2 #3 #4 | 2935 | 2018/09/25 |
1.5.4.0 #5 | 2010/02/18 | |
qaac | 2.68 | 2018/11/20 |
L-SMASH Works #6 | r935 release2 | 2018/09/23 |
L-SMASH #6 #7 | r1470 | 2018/04/06 |
MP4Box #7 | 0.7.0 rev1 | 2017/04/14 |
#2・・・OS が 64-bit の場合は 64-bit 版を利用するとエンコードが少し早くなります。
#3・・・x264 には汎用的な 8-bit depth 版と、より特殊な用途向けの 10-bit depth 版があります。bit 無記載のものか、8-bit 記載があるものを使ってください。
#4・・・x264CLIを配布しているサイトは多数あり、他にはPOP@4bit氏のビルドなどがあります。
#5・・・ファイル名は NeroAACCodec-1.5.1.zip
#6・・・サイト左上にある「バイナリを選択」のボックスから最新版を選択してダウンロードしてください。
#7・・・muxer としてどちらか片方の導入が必要です。L-SMASH を導入した場合 MP4Box は必要ありません。
MP4最大値 | ファイルサイズ | 平均ビットレート | エコノミー回避 | 解像度 | |
---|---|---|---|---|---|
ファイルサイズ | 平均ビットレート | ||||
プレミアム会員 | 100MB | 制限なし | 100MB | 445kbps | 制限なし |
一般会員 | 40MB | 656kbps | 40MB | 445kbps | 1280x720 |
最適解像度 | 16:9 | 4:3 |
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中画面モード | 640x360 | 512x384 |
大画面モード | 854x480 | 640x480 |
AAC-LC、HE-AAC、HE-AACv2はABRに該当し、品質をコントロールし目的のビットレートに収めます。
※低ビットレートでの特性(HE-AAC=aacPlus v1, HE-AACv2=aacPlus v2)
以下の解説動画も参考にすると解りやすいでしょう。
AviUtlをインストールする方法 Ver2015
アスペクト比や拡大縮小、黒べた等についてを参照して下さい。
音声ビットレートと映像ビットレートを決する目安は、100MBと40MBで使用できるビットレート早見表や、
下記の「ビットレート設定 一覧表」や「ビットレート計算手順の例」を参照すれば、なんとなくつかめるはず。
再生時間 | AAC-LC | HE-AAC | HE-AACv2 | エンコード 所要時間の目安 | |||
映像 | 音声 | 映像 | 音声 | 映像 | 音声 | ||
5分 | 330 | 320 | (不適) | (不適) | 30分 | ||
10分 | 360 | 192 | 465 | 88 | (不適) | 1時間 | |
15分 | 235 | 128 | 285 | 80 | (不適) | 1時間30分 | |
20分 | 175 | 96 | 200 | 72 | (不適) | 2時間 | |
25分 | (不適) | 150 | 64 | 170 | 48 | 2時間30分 | |
30分 | (不適) | 125 | 56 | 140 | 40 | 3時間 | |
40分 | (不適) | (不適) | 100 | 32 | 4時間 | ||
50分 | (不適) | (不適) | 80 | 24 | 5時間 | ||
60分 | (不適) | (不適) | 70 | 16 | 6時間 |
手順 | 一般会員 | プレミアム会員 | ||
(1)作る動画の再生時間を調べ、秒に直します。 | (例として10分の場合) 10[分]→600[秒] | |||
(2)ニコ動のファイルサイズ上限をkb(キロビット)に直します。 | 40[MB]×8×1024×1024÷1000 =335544[kb] | 100[MB]×8×1024×1024÷1000 =838861[kb] | ||
(3)ファイルサイズを再生秒で割り、 おおよその最大ビットレートを求めます。 | 335544÷600=約559[kbps] | 838861÷600=約1398[kbps] | ||
(4)ニコ動の最大ビットレート制限を越えないようにします。 (一般は約656[kbps]、プレミアムは無制限) | 559[kbps] | 1398[kbps] | ||
(4.5)エコノミー回避優先の場合、そのビットレート制限 (約445[kbps])も越えないようにします。 | (エコノミー回避優先) 559 → 445[kbps] | 559[kbps] | (エコノミー回避優先) 1398 → 445[kbps] | 1398[kbps] |
(5)設定の自由度が低い音声ビットレートを 先に決めます(目安:AAC-LC 96[kbps]でCD音質)。 | 64[kbps] | 96[kbps] | 64[kbps] | 128[kbps] |
(6)最大ビットレートから設定した音声ビットレートを引き、 仮最大映像ビットレートを求めます。 | 381[kbps] | 463[kbps] | 381[kbps] | 1270[kbps] |
(7)ヘッダー情報分確保と、ビットレート設定のブレ対策で、 少し減らして映像ビットレートを決めます。 | 381→ 375[kbps] | 463→ 455[kbps] | 381→ 375[kbps] | 1270→ 1265[kbps] |
FLV(On2VP6+MP3)と比べると、MP4(H.264+AAC)は2passならばビットレートのブレはほとんどありません。
※ちなみに最新版のx264 出力(GUI)Exには、ビットレート計算機がついています。
設定画面右上の「ビットレート計算機」のボタンを押すと計算機が表示されるので、
「サイズからビットレートを求める」を選択し、動画サイズに上限値(一般会員なら40以下、
プレミアム会員は100以下)を入力すると、合計ビットレートの欄に、
「使用できる最大ビットレート」が自動的に表示されます。
(一般会員の場合は最大ビットレート656kbpsという制限もあるので注意。)
よくわからなければプロファイルを読み込んだままの設定から無理に変更しないことをお薦めします。
画質を上げたいといった理由で各設定項目について知りたい場合は拡張 x264 出力(GUI)Exの設定項目とその機能についても参考にして下さい。
また、ニコニコ動画にアップされている各種H.264解説動画の設定ぶりを参考にするのもアリです。
x264(画面左側のタブ) | ||
プリセット の ロード | 速度 | 下にいくほど高画質になるが、mediumまたはslowで構わない |
チューニング | わからない場合はnoneで十分だが、用途で選択 | |
プロファイル | high | |
※速度・チューニング・プロファイルを変更した場合は 「GUIにロード」ボタンを押して反映させます | ||
全般 | x264.exeの指定 | x264guiEx付属のauo_setup.exeを使用した場合は、自動で設定される。 設定されていない場合は右のボタンを押して、「x264_8bit-depth.exe」を指定 (「highbit depth」にチェックを入れないこと。) |
(ココ重要→) | 上限確認付 品質基準VBR(可変レート)または自動マルチパス | |
nul出力 | (自動マルチパスの時のみ)オン | |
高速(1st pass) | (自動マルチパスの時のみ)オン | |
自動マルチパス数 | (自動マルチパスの時のみ)数値は2推奨*2 | |
上限ファイルサイズ | 一般会員の場合→チェックを入れ40を指定 プレミアム会員の場合→チェックを入れ100を指定 | |
上限ファイル ビットレート | 一般会員の場合 → チェックを入れ656を指定 プレミアム会員の場合 → チェックを入れる必要無し エコノミー回避したい場合 → チェックを入れ445を指定(一般/プレミアム 共通) | |
目標映像ビットレート | 事前に決定した映像ビットレートを指定 | |
色空間 | colormatrix | smpte170m ※重要 これとは別に、AviUtl本体側の設定で「設定->色変換の設定」の[出力]を「BT.601」にしておくこと。 [入力]については使用素材にもよるので各自で判断すること。 |
レート・QP制御(画面左側のタブ) | ||
とくにいじる必要なし | ||
フレーム(画面左側のタブ) | ||
動き予測 | 参照距離 | デフォルトのままいじる必要はないが、自分で調節する場合は値を増やしすぎないように注意。 (参照距離は、PCスペック依存だがハイエンド系なら、上限の16指定もいいがソース動画の画質に注意 低スペックの場合は、7以上でも問題が起こることがあるらしい。) 動き探索範囲予測は、2コアCPUで、16程度でも問題無いので、 32を指定するものいい(環境によっては、手探りが必要だろう) 参考:動画がおかしくなる方は大百科をクリック→とは - ニコニコ大百科 |
GOP 関連設定 | キーフレーム 間隔の上限 | -1 x264guiEx v1.43から、 「-1を指定すると自動的にフレームレートの10倍の値を設定する」 という機能が追加されているのでそれを推奨。 自分で適切な数値を入れても良いがシークのしやすさに影響するので よく分からないうちはフレームレートの10倍以下にしておいた方がよい。 ※補足:キーフレーム間隔を短くする(数値を下げる)とよりシークしやすい動画を作ることができる。 実際、YouTubeでは30fpsの動画の場合間隔が30または60に設定されており(古い動画では15)、 1~2秒間隔でシークできるようになっている。 しかし、キーフレームはサイズが大きいため、あまり設定値を下げると動画の読み込みが遅くなったり、 またビットレートを下げないとファイルサイズ制限を超えてしまう場合がある(その場合当然画質が下がる)。 フレームレートの5倍(30fpsの場合150、最長5秒間隔でシーク可能。 せいぜい3倍(30fpsの場合90、最長3秒間隔(ry))程度に収めておいた方がいい。 短い紙芝居動画の場合は60程度でもいいかも。 |
拡張(画面左側のタブ) | ||
とくにいじる必要なし | ||
音声やmuxerの指定(画面右側) | ||
音声 | 音声エンコーダ | NeroAacEnc |
NeroAacEnc.exeの指定 | x264guiEx付属のauo_setup.exeを使用した場合は、自動で設定される。 設定されていない場合は右のボタンを押して、ダウンロードした「neroAacEnc?.exe」を指定 | |
2pass | オン | |
エンコードモード | 事前に決定した音声ビットレート(に近いもの)から好みで選択 AAC-LC (96kbps以上) 高音質、標準 HE-AAC (88kbps~56kbps) 長時間向け HE-AACv2 (48kbps以下) 低音質、超長時間向け | |
mp4 | remuxer.exeの指定 | x264guiEx付属のauo_setup.exeを使用した場合は、自動で設定される。 設定されていない場合は右のボタンを押して、「remuxer.exe」を指定 |
timelineeditor.exeの指定 | x264guiEx付属のauo_setup.exeを使用した場合は、自動で設定される。 設定されていない場合は右のボタンを押して、「timelineeditor.exe」を指定 | |
muxer.exeの指定 | x264guiEx付属のauo_setup.exeを使用した場合は、自動で設定される。 設定されていない場合は右のボタンを押して、「muxer.exe」を指定 |
エンコードが始まると時間がかかるので、出かける前や寝る前などに実行するのが良いでしょう。
プラグイン出力をうまく導入できない人がいるのでAVI出力からの動画作成方法を記載します。
ただしAVI形式ではH.264は正式にサポートされていないので推奨はできません。
mp4box [入力...] 出力 入力 ::= (-cat|-add) 入力1[#ストリーム][:オプション...] (-cat|-add) 入力2[#ストリーム][:オプション...] ... mp4box -info 情報が欲しいmp4ファイル
入力の動画のPCM (WAV) 音声のサンプリング周波数が、neroAacEnc?に対応していない。
下記の仕様を参考にサンプリング周波数を合わせる。
例 44102Hz、22048Hzなど少しでもズレているものは不可
例 8000HzのwavでHev2指定は不可、1chのwavでHEv2指定は不可
エンジン=ディレイのサンプル値(フレーム)※周波数にかかわらず常にこの値が出力される。(仕様)
LC=2624
HE=4672
HEv2=5616
ディレイのサンプル値 / サンプリング周波数 = 遅延秒数
例 44100Hz時の遅延秒数=29.97fps時の遅延フレーム数
LC=0.059sec=1.77f
HE=0.106sec=3.17f
HEv2=0.127sec=3.80f
よって、低音質を目指した場合ほど遅延が大きくなるので対策が必要と言える。MG作品なんかをエンコする際に注意。
エンコードは終了したけどうまく再生できないといった場合、質問する前にまずは解析ツールで調べてみて下さい。
特に質問したい場合、解析ツールでの調べた結果も貼り付けると、答える側が答えやすくなります。
192Kbps以上320kbpsまでの音声重視映像の場合はH.264よりもVP6のほうがいいでしょう。
参考
※現在は改善されているのでVP6に拘る必要はない。
※aacでもneroエンコーダで96000Hzにて最大1080Kbpsを確認しています。
ここで入力した値は上限値(VBR)であり、実際のビットレートは
元ファイルのピークビットレートに依存します。
(例えば固定320Kbpsで作成した1分の音声データの1秒あたりの最大データ量が182Kbpsだった場合は
600Kbpsで設定したaacのビットレートは182Kbpsになる。)
96000Hz(スタジオ音質)は現状ではWMPでは非対応なので音は出ません。
※320kbps以上は自作楽曲などの公開で、
オリジナルが無圧縮waveやflacなどのロスレス形式以外の場合は320kbpsで十分です。
どうしても生音に近い音で聞かせたい場合にどうぞ
なお、muxにはMP4Box.exeやフロントエンドのyambを利用します。
MP4Box.exe -add "Video.mp4"#video -add "Audio.aac"#audio -new "Movie.mp4"
また、ニコニコ動画で再生可能なaacには5.1chや7.1chなどのマルチチャンネルにも対応しています。
注意:現状2.1ch以上のマルチチャンネルにFlashPlayerが対応していないため、
FlashPlayer(ニコ動)経由での再生は2chにミックスダウンされて再生されます。
※AACにはbit深度(bit depth)という概念はありません。
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(コメント/aviutl_h264,15,below)